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上手くいかないことばかり。でも今日も楽しく自分らしく。

サラリーマンであり、父であり、夫である 普通の親父が日常で得た気付きや悩みを 書き出すブログ

聖の青春

今週のお題「読書の秋」

聖の青春 (角川文庫)

 

「聖の青春」を読みました。

 

 最近寝る前に読書をするのが日課に
なっているので2冊/週くらいのペース
で本を読んでますが寝るのが惜しくなる
くらいハマった一冊です。 

お恥ずかしい話、
村山聖さんもこの本自体も最近知りました。

映画になるくらいヒットしたみたいで
職場の同僚は本は読んでいないけど
映画で見たという人も何人かいました。

映画版はこちら⇒聖の青春 [DVD]

 

 

 

村山聖さんという人間

今でも最強を誇る棋士羽生善治さんと
同等以上に戦った男の短い一生を
描いた物語です。

病気がなければ羽生さんを超えていた
と言われる一方で
病気があったからこそあれほど
強くなれたとも言われる
人間臭い男が時に自暴自棄になりながらも
将棋にだけは真っすぐに全力で
生きていきます。

最後の最後まで名人になれなかったけど
大病を患いながら羽生さんたち猛者を
倒してきます。

村山さんは体調が悪いときほど強いといっても
過言でない成績を残します。
まさに自分の命を燃やして
将棋にかけた人生です。

こんな泥臭くでも力強い人間がこの時代に
たことに憧れと感動を覚えました。

 

生死を常に意識した生き方

話の所々で村山さんが生きるということに
こだわりを持っていることが分かる
エピソードが何度も出てきます。

幼少期から病院で生死と正に隣り合わせの
生活をしていたこ
自分自身それほど寿命が長くないことを
自覚していたこ

そのために生きるということにひたすらこだわって
生きていきます。

水道の蛇口をわざと緩めてポタポタという音を聞く
シーンは思い出すと今でも涙腺が緩みます。

 

森さんという師匠

森さんというこれまた人間臭い師匠が出てきます。

本当に実話なのか?と疑うほど
村山さんと森さんが愛情一杯の師弟関係を築きます。

生前、村山さんは森さんから将棋は教わっていない
とコメントしたことがあるそうです。

物語の中でも森さんが村山さんに将棋を教えるシーン
はほぼなかったと思います。

どちらかといえば堕落した生活を送る師匠という
イメージです。

それでも聖の一番の理解者であり
森さんしかできない方法で聖をサポートしていきます。

それほど村山さんが愛らしい人間だったのか
森さんが深い愛情の持ち主だったのか
両方であったのか
二人が師弟関係を超えた人間関係を過ごすシーンは
そんなことを想像しながら読み進めました。

 

 

ただひたすら名人を目指す

 何があっても誰に反対されても
名人になることを第一に生きていきます。

村山さんご自身も名人という目標があるから
こそ生きていけるということを
自覚されていたんじゃないでしょうか。

勝手な想像ですが
名人になれないことよりも
名人を目指せなくなることが
村山さんにとっては最も許せないこと
だったんじゃないでしょうか。

自分が生きる意味を失うことほど
恐ろしいことはないので

自分自身も目標や夢があって今の職業・立場が
あるのにここまで純粋に追い求めることが
できないのは何でだろうと
考えさせられながら読んでいきました。

村山さんの生き方に自分自身を重ねながら
生きるってことを考えさせる一冊でした。